青柳(あおやぎ)古墳群は、群馬県との県境を流れる神流川右岸の河岸段丘上の旧青柳村を中心に展開する大規模な群集墳で、11支群から成り、群内には総数293基の古墳が確認され、土地改良事業などの開発で発掘調査された古墳は100基以上、墳丘が残存する古墳は現在80数基。南塚原支群は標高100m以上の高い段丘に立地して、93基が確認され、9基の墳丘が残存する。9号墳(前方後円墳)と1号墳(大塚稲荷古墳)以外は径15〜20mの小円墳。主体部(埋葬施設)のほとんどが胴張りの両袖型の横穴式石室。6世紀初めから7世紀末の築造。青柳古墳群は埼玉県重要遺跡に指定されている。
大塚稲荷古墳(南塚原1号墳, No.102)は、青柳古墳群の南塚原支群で最大規模を誇る径40m、高さ6.5mの円墳。三段築造。上段、中段に葺石。埴輪(円筒、人物、馬)が出土。主体部(埋葬施設)は両袖型と思われる横穴式石室で全長11.2m、奥壁は縦横ともに3mを超える一枚石。
青柳古墳群南塚原支群 (神川町) | 公益財団法人 埼玉県埋蔵文化財調査事業団
文献
[1] 宮川進 1997「さきたま古墳めぐり」さきたま出版会
[2] 野崎正俊 1998「【探訪】武蔵の古墳」
[3] 神川町教育委員会 2005 『神川町教育委員会文化財調査報告第22集:大塚稲荷古墳 第2次・3次調査』神川町教育委員会
[4] 埼玉県立さきたま史跡の博物館 2017「埼玉の古墳 2 秩父・児玉・大里」
[5] 令和2年度企画展「かみかわの古墳を知ろう(1)〜四軒在家〜」展示パンフレット